国際シンポジウム「村上春樹をめぐる冒険」

 今朝、日経新聞朝刊の文化欄を見ていたら、3月25、26日に東大で村上春樹に関する国際シンポジウムが行われるというトピックスが掲載されていた。国際交流基金主催。

日本文学の翻訳・出版という領域において、一人の現存する作家がこれほど全世界的に注目されたことはなく、「村上春樹ブーム」の原因について各方面から関心が高まっていますが、現在のところこの現象の総合的な分析・研究は行なわれていません。そこで、世界各国の翻訳家・評論家に村上作品の魅力や読者からの反響を縦横無尽に語ってもらう機会を設けることを企画しました。

 イタリアでも吉本ばななに次いで、翻訳本の多い日本人作家である村上春樹。ただその受容のされ方は、日本はもちろんアメリカでの受け取られ方ともずいぶん違うものであるような気がする。それがなにかは、イタリア人と深く話したことがないのでわからないのだけれど、アメリカでの受容のされ方がストイックな感覚なのに対して、もっとこうオタク的というか。地平の断絶した世界というか。

 でも今回のシンポジウムにイタリア人研究者は参加しないらしく、残念。柴田元幸さんのワークショップに惹かれる。

 で、肝心要の春樹本人はこのシンポジウムには参加しないらしい。小説家として、自著がアカデミックなものとしてあつかわれる感覚はどんなものなんだろう?