文字っていつからあるんだろう?


 スティーヴン・ロジャー・フィッシャーの「文字の歴史―ヒエログリフから未来の「世界文字」まで」がおもしろい。ページを繰るごとに、次々と疑問がわいてくる。
 第1章の「刻み目から書字板へ」ではインカの結縄(キープ)から古代シュメールの楔形文字の成立まで、時代、地域をこえてありとあらゆる「いちばん最初の文字」の候補を検討していく。世界には文字をはじめとして、記憶を助けるための道具が数多く近代以前にあったことを思い出させてくれる。キープやノッチ(板や棒につけた刻み目)、絵文字などなど。

 日本では漢字とそこから派生したかなが、「文字」として成立しているけれども、それ以前にも何らかの形で記憶の補助を行う道具はあったはず。インディオとご先祖様を共通にしてるのだから、キープぐらいあったかも。ノッチは昔なにかの民俗事例で見たような気が。
 でも日本考古学の本とか読んでいても、そういった記憶の伝達や数の概念といった研究をしている人って、ほとんどいないような。なにかの本で縄文土器の突起の分割の仕方から、縄文人の数概念を語っている人がいたような気がするのだけれど、ど忘れ。けっこう有名な人だったような・・・。でもその論も、最後の方には「このように縄文土器の口縁を〇分割している事例が多いことから、古代数字の〇は特別な意味を持っていた(〇が何の数字かもど忘れ)」というような、宗教観の議論にすりかわってしまっていたような。もっと抽象的な数の研究ってないのだろうか?そもそも、キープやノッチ状の遺物ってあったとしてもやはり腐ってしまってないんだろうか?
 などと、あれこれ考えつつ中国茶DEPAPEPEの「Let's Go!!!」を楽しむ土曜の午後。

文字の歴史―ヒエログリフから未来の「世界文字」まで

文字の歴史―ヒエログリフから未来の「世界文字」まで